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人事制度構築

部下を褒める?叱る?絶対やってはいけないこと

「子どもは褒めて伸ばしなさい」という言葉はよく耳にします。
叱ってばかりでは子どものやる気を削いでしまうからです。
では叱りもせず、逆に褒めたりもせずに、ただ放任したらどうなるでしょう?

褒める?叱る?放任する?

発達心理学者のエリザベス・B・ハーロックはパブリック・スクールの子ども達、計106名を集め算数テストを実施することにしました。
その際、子どもたちは「称賛群」「叱責群」「放任群」の3つのグループに分けられました。

「称賛群」:結果にかかわらず、できていた部分を褒める
「叱責群」:結果にかかわらず、できていない部分を叱る
「放任群」:結果にかかわらず、何も言わない

「称賛群」の子どもたちは、一人ひとり名前が呼ばれ、全員の前で前日の試験の結果が優れており成績の向上が認められると称えられました。そしてケアレス・ミスをなくし、さらに頑張るように励まされたのです。
これに対して「叱責群」の子どもは、称賛群がほめられた後に名前を呼ばれ、みんなの前で前日のテストが思わしくなく、ミスが多いとして厳しく叱責されました。
残った「放任群」の子どもは、他の子どもがほめられたり叱られたりしているのをその場で耳にしてはいるものの、何ひとつ直接的な言葉かけられることはありませんでした。

テストは5回繰り返され、結果は以下のような意外なものになったのです。

無視されるよりはまだ叱られた方がマシ

「称賛群」:71%の生徒の成績が向上
「叱責群」:20%の生徒の成績が向上したが、その後は低下した
「放任群」:5%の生徒の成績が向上したが、その後は低下した

3群の学習成績の平均

「称賛群」がもっとも高い成績を上げたことは、みなさんも想像したとおりです。
しかし注目すべきは、みんなの前で厳しく叱責された「叱責群」の方が、何も言葉をかけられなかった「放任群」より成績が良かったということです。無視されるよりは、まだ叱られた方がましだったということなのです。

これは子どもを対象とした研究ですが、ギャラップが行なった大人を対象としたエンゲージメント(従業員満足度)調査でも、同様の結果が得られています。

「愛」の対義語は「無関心」

人はポジティブはもちろん、たとえそれがネガティブであったとしても、フィードバックされることを求めます。なにも他人から関心を持たれず、期待もされなければ、生きる目的さえ失ってしまいます。
学校でも職場でも、もっともやってはいけない行為は「無視」することなのです。


「愛」の反対は「憎しみ」ではなく、「無関心」