人事制度構築
デジタル監視が従業員に与える負の影響

AI
セントラルワシントン大学のチェイス・ティールらは、デジタル監視が生産性にどう影響するか、様々な企業の従業員を対象に調査を行いました。
すると「自分は上司から厳しく監視されている」という認識が高い従業員ほど、「意図的に作業ペースを落とした」「上司や同僚からの連絡を無視した」など、企業にとって好ましくない行動をとる傾向が強まることが確認されました。
これは、過度な監視が「自分は上司から信頼されていない」というメッセージとして従業員が受け取り、会社に貢献しようとする意欲が低下したことが、その原因として考えられます。また自由に発言すること(心理的安全性)が脅かされたこともその要因として挙げられるでしょう。
正しいモニタリングデータの使い方
一方で、医療機関やITセキュリティ会社などで、「安全管理のためにモニタリングする」というようにその目的を明確にすれば、従業員の生産性は低減しません。
またモニタリングをとおして、業務効率化を実現しようとする場合も同様です。上司がモニタリングデータを使って、従業員のキャリア開発について話し合いをおこなった場合は、生産性の低減みられませんでした。
会社はときとして、従業員が仕事をサボっていないか監視したい動機にかられますが、監視される、管理されるというのはだれにとっても気持ちのいいものではありません。
もちろん要所要所では、ミスがないか不正がないかなどのチェックは必要です。ただし、デジタル監視ツールが増えたからといって、むやみやたらに監視するのは、かえって従業員のパフォーマンスを下げてしまうのです。