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人事評価や賃金制度、企業型DC(確定拠出年金)導入のポイントなど、経営者や人事担当者に役立つ情報を発信しています。
人事制度構築

人が定着しないなら給料よりも〇〇を上げなさい

「きれいごとを言っても、やはり給料が高い職場のほうが良い」。それは当然のことです。しかし、世間相場より高い給料をもらっているのに、なぜか人が定着しない職場も少なくありません。残業が多いことやノルマが厳しいことだけが原因ではないのです。
いったいどういうことでしょう?
いくら給料が多くても、上司への信頼感が低ければ、従業員の幸福度は下がってしまうのです。

目次

  1. 信頼度1ポイントは給料100万円分?!
  2. 女性は特に信頼を重んじる
  3. 職場の信頼感とは?

信頼度1ポイントは給料100万円分?!

ブリティッシュコロンビア大学のヘリウェル教授らは、カナダとアメリカの労働者約25,000人を対象に、職場での信頼や人間関係が幸福感に与える影響を定量的に評価しました。
具体的には、「あなたは職場のマネジメント(経営陣)をどの程度信頼していますか?」という質問を10段階で評価してもらいました。すると、職場への信頼感が10段階中1点向上すると、給料が30%以上増加したときと同程度に幸福感が高まることがわかったのです。

これは、年収が300万円の人が400万円に上がったときと同じくらいの幸福度アップであり、「上司への信頼感が1ポイント増えただけでも幸福度が爆上がりする」という驚きの結果です!

女性は特に信頼を重んじる

特に女性ではその傾向が顕著で、男性に比べて約2倍も職場の信頼感を重視していることがわかりました。
女性は男性に比べて人間関係を重視するといわれています。営業職に就くことが多い男性は昼間は外出していることがほとんどですが、一方で女性は社内の他のスタッフと協力しながら業務を進めることが多いのです。そのため、職場への信頼関係は彼女たちの幸福度に大きく影響を与えます。

いずれにせよ、信頼感の「1点」は給料の30%に相当するという事実は驚くべきものです。逆に言えば、せっかく給料を上げても信頼感が低下すれば、従業員の幸福度は下がってしまいます。「嫌な上司でも給料が良ければ我慢できる」というわけではないようです。

職場の信頼感とは?

では、職場への「信頼感」とは何でしょうか?

  • 同僚や上司が自分をサポートしてくれるという安心感
  • 情報がオープンで透明に共有されていると感じられること
  • 自分の意見を安心して伝えられる環境であること

これらが信頼感につながります。つまり自分が職場で尊重されていると感じられることなのです。

あなたは部下の幸せを考えて親身にサポートしていますか? あなたの会社は、経営状況を良いことも悪いことも隠さずにオープンに共有していますか? 自分たちの意図にそぐわない発言を、頭ごなしに否定していませんか?

給料袋と同じように、「信頼の袋」を大切に育ててください。それがあなたの会社を成功へと導く、目に見えない「隠れた資産」になるのです。