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人事制度構築

自分を変えずに、自信を取り戻す方法

部下に「思い切って挑戦してみよう」と言っても、「いや自分にはムリです」「まだできません」と気の抜けたような返事が返ってきた経験はないでしょうか。

上司からしてみれば、能力も経験も十分に足りていると思えるのに、本人にはその自信がない。これはひょっとすると、「学習性無力感」という状態に陥ってしまっているからかもしれません。

ゾウはなぜ逃げないのか

ゾウは哺乳類のなかでももっとも力のある動物だといわれています。ところが調教されたゾウは、十分に力があるにもかかわらず、足に細くつながれた鎖を引きちぎって逃げるようとはしません。

その理由は、子ゾウのときの調教法によります。

まだ力の弱い子ゾウを丈夫な木に縛り付けておきます。すると、最初は逃げ出そうともがきますが、固く足に縛り付けた鎖はびくともしません。やがて子ゾウは逃げることをあきらめてしまいます。

やがて大人になったゾウは、十分に力はあるにもかかわらず「どうせなにをしても無駄だ」と子供のころに学習してしまっているため、鎖を引きちぎって逃げ出そうとはしなくなってしまうのです。

このように「自分は無力」だと学習をしてしまうことを、

「学習性無力感」

といいます。

能力がないのは単なる思い込み

つまり過去の体験から十分に能力も実力もあるのに、「自分はどうせ無理だ」と勝手に自分の力を低く見積り、行動しようとしなくなってしまうのです。
本当はできるのに、思い込みにより本来の力を発揮できないなんて、なんともったいないことでしょうか。

しかしこれは多くの人が気づいていないだけで、誰にも起こりえることなのです。その原因は、小さいころの親や周りの大人からの教育だったかもしれませんし、社会に出てから上司に言われたことが原因かもしれません。

では、どうすればこの「学習性無力感」から抜け出すことができるのでしょうか。それは、周りの「環境」を変えてしまうことなのです。

誰と付き合うかで自分も変わる

例えば自分と同じような経歴を持つ友人や知人が、一方で自分よりバリバリ活躍していたとしたら、「あいつでもできるんだからオレにもできるんじゃないか」と思ったことはないでしょうか。

実は、そういった友人や知人と一緒にいると、無意識に本来の自分の実力を発揮できるようになっていきます。

このことを専門用語で「代理経験」といいます。
もし周りのゾウが鎖をちぎって自由に動き回るのを見れば、そのゾウもきっと鎖を引きちぎるでしょう。

他人の成功した経験を疑似体験することによって、「自分でもできそうだ」という感覚を持つようになるのです。逆に、傷の舐め合いをしているような人たちと付き合えば、さらに殻に閉じこもることになってしまいます。

自分より成果を上げている人たちのコミュニティや集まりのなかに自ら思い切って飛び込んでいくのです。そうすれば、自分の誤って認識された心の壁が破壊され、自然と本来の実力を発揮できるようになっていきます。

どんな人たちと付き合うべきか、もし変わりたければ、まずは自分の周りの環境を変えてしまうのです。