サービスは最小限にした方が儲かる!?

私がよく行く近所のスーパーも、最近ついにセルフレジが導入されました。
セルフレジは台数も多いため、ほとんど並ぶことなく会計を済ませられます。そのため買い物客には人気のようです。
私はどちらかというと有人レジ派なので、少し並んでもそちらを利用するのですが、ある日ふとおかしなことに気付きました。
有人レジには誰も並んでいないのに、多くの買い物客がセルフレジを利用しているのです!いったいどういうことでしょう?
店員に頼むより自分のペースでお会計をしたい
普通に考えれば、店員が会計をしてくれる方が楽なような気がしますが、どうやらそうとも限らないようです。
あるアンケート結果によると、セルフレジを使う理由の第1位は「有人レジが混んでいるから」でしたが、第2位の理由は「自分のペースで会計ができるから」でした。
どうやら店員が品物をスキャンしたり、お金の受け渡しをすることを煩わしく思っているようなのです。
そしてこの回答をした買い物客は、そうでない客よりセルフレジを頻繁に使う機会が多かったのです。
セルフスタンドも自分で入れた方が楽だから
いわれてみれば、ガソリンスタンドでも有人のスタンドで店員がガソリンを入れてくれたり、窓を拭いたりしてくれるのが、かえって煩わしく感じることがあります。自分で好きな量だけガソリンを入れて、さっさと済ましてしまった方が楽なのです。
セルフスタンドが意外とすんなり浸透した理由には、価格以外にそういった理由もあったのでしょう。
それはさておき、そもそもスーパーマーケットの誕生の歴史を探れば、セルフレジは当然の流れなのかもしれません。
自由に買い物をさせた方が売上があがる
スーパーマーケットが登場する以前は、対面販売が当たり前でした。魚屋さんに今日仕入れたお勧めの魚はなにかと、相談しながら買い物をするのが一般的だったのです。
それをあるとき、商品を大量に並べ、ショッピングカートを使って、買い物客に自由に店内を歩き回らせてみたところ、売上が増大したのです。店員がわざわざお客の接客をするより、自由に買い物させた方が、売上に貢献したのです。もちろん人件費は減りました。まさに一石二鳥です。

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どうやら人間は、セルフレジにしろ、買い物にしろ、自分でコントロールすることの方を好むようです。
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至れり尽くせりが必ずしも良いサービスとは限りません。焼肉も自分で焼くから美味しいのです。
お客が自由に選択できる、あるいはコントロールできるようにしてあげることも大切なサービスの一つであり、同時にコストも抑えられる一石二鳥の魔法の手法なのです。