目標を達成したいなら、目標を達成しようとしないでください!?

みなさんが将来の目標を立てるとき、それはなんのために立てるのでしょうか。
「そんなのその目標を達成するために決まっているじゃないか」と言われるかもしれません。しかし目標を達成することばかりにこだわると、かえって目標を達成できないことがあるのです。
パフォーマンス目標
会社などで目標といわれれば、通常は売上や利益といった結果を求められます。もちろん、これらは従業員の評価にも連動しているので、「高い能力(パフォーマス)を示したい」あるいは「低い評価は避けたい」といった動機が働きます。このような成果に焦点をあてる目標のことを「パフォーマンス目標」といいます。
マスタリー目標
一方で、一定の技能や知識を身につけることや、成長するといった「できる」ようになることをめざす目標のことを「マスタリー(熟達)目標」といいます。「マーケティングの知識を身に付ける」「パソコンに強くなって作業効率をあげたい」など、自分の能力を高めること自体を目標とするような場合です。
マスタリー目標の方が成果はあがる
これら二つの目標を比較すると、自分の能力や成長に焦点をあてる「マスタリー目標」の方が、成果に焦点をあてる「パフォーマンス目標」より、結果的に目標達成にプラスの効果があることがさまざまな研究からわかっています。
「マスタリー目標」の人は、成長そのものに焦点をあてているため、たとえなにか失敗をしたとしても「それは成長するための学びの機会だ」ととらえます。そのため努力を惜しみません。
一方で「パフォーマンス目標」の人は、失敗をできるだけ避けようとし、「失敗することは自分の能力が低いことの現れだと」と考えます。そのため困難なことにチャレンジすることを避けたり、失敗から学ぼうとせず、結果的に低い成果となってしまうのです。
目標達成を成長のためのモノサシととらえる
会社や上司は「人材を育成し成長させる」と表向きはいいつつも、つい結果にばかり焦点をあて成果をあげようとしてしまうのではないでしょう。もちろん結果も大切です。しかしそれを成長を測るためのモノサシととらえるか、あくまで結果だけととらえるのか―
売上も同じで、単なる結果としての数字ととらえるか、お客様からの評価ととらえるかで、随分ちがってきます。
目標達成を通じて、成長を促すことにコミットしたほうが、結果的に目標は達成されるのです。