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人事評価や賃金制度、企業型DC(確定拠出年金)導入のポイントなど、経営者や人事担当者に役立つ情報を発信しています。
人事制度構築

現金VSプレゼント〜どっちが社員の満足度はあがる?

あなたがもし特別ボーナスもらうとしたら、「現金」それとも「旅行」のどちらがいいでしょう。おそらく多くの方は「現金」を選ぶかもしれません。しかし満足度は「旅行」の方が高いのです。

旅行の満足度は低下しない

米大手IT企業のグーグルでは、給料の一部を従来の現金報酬から旅行や社内パーティーに変えてみました。事前のアンケートでは、過半数以上の従業員が現金を望んでいました。しかし実際に旅行などのプレゼントを渡してみると、現金より楽しさも増し印象にも強く残っていたのです。

さらに5ヶ月後、再び調査をしてみると、現金で報酬を受け取った従業員の満足度が急激に低下したのに対し、「旅行」を受け取った従業員の満足度は、以前よりさらに上がっていたのです!

新車も最初の半年くらい

現金やモノに対する満足度は、受け取ったそのときは嬉しく感じますが、時間とともにみるみる低下します。一方で旅行などの“体験”は、時間が経っても低下しずらいということが、いくつか研究からわかっています。

新車を買って毎回ハンドルを握るたびにテンションがあがるのも、まだ新車の香りが残る最初の半年くらいのものです。けれど親しい友人や恋人と一緒に行った旅行の楽しかった思い出は、何年経っても色あせないものなのです。

ゲーム感覚で楽しく取り組む

経済学者のスコット・ジェフリーが行った実験では、ある課題に対し「現金」をもらえるグループと、マッサージ券のような現金以外のものを報酬にしたグループとで2つに分けて取り組んでもらいました。するとマッサージ券をもらえるグループの方が、より多く課題に楽しく取り組めたという結果が得られました。

従業員を現金で釣るよりは、ゲーム間感覚で課題に取り組んだ方が高い成果があげられる場合もあるのです。露骨にお金をちらつかせてなにかをやらせようとすれば、かえって興ざめてしまうものなのです。

ボーナスの一部を変えてみては?

もちろん、報酬がすべて現物支給では従業員も困ってしまいます。しかし利益がいつもより多く出たのなら、その一部は現金ではなく旅行や懇親会などの“体験”に充てた方が従業員の満足は高まるかもしれません。

同様に「今期はがんばってボーナスをたくさんもらおう」と言うより「今期はがんばってみんなで海外旅行に行こう」と言った方も士気もあがるのです。